業務概要
下水道は、汚水処理や浸水対策などの役割を担い、都市の健全な発展に必要不可欠な社会基盤となっています。近年は、低炭素・循環型社会の形成や健全な水循環を維持し、さらには回復させるなどの新たな役割が求められています。
令和3年度末における汚水処理施設の普及率は約93%、下水道の普及率は約81%となっており、令和2年度末時点で、管渠の総延長は約49万km、終末処理場の数は約2200箇所となっています。これらは高度経済成長期以降に整備されたため、今後急速に老朽化が進むと見込まれています。
当社では、流域治水の観点から、雨水貯留浸透施設の設計や公共下水道の整備などを行うことによって、水害の防止・軽減に取り組んでいます。
また、下水道は代替え手段の確保が困難なライフラインであることから、災害等による大規模かつ長期的な断水のリスクを軽減するために、下水道施設の耐震診断や補強設計を行っています。
さらに、下水道施設の老朽化対策として、ビデオカメラ等を用いた管路の定期点検を実施し、予防保全型のインフラの維持管理や更新を実施したストックマネジメント計画を行うことで、私たちが生活していくうえで必要な下水道施設の機能を維持し、住み続けられるまちづくりに貢献していきます。
実施項目
- ■ 下水道計画(事業計画・事業認可設計・ストックマネジメント計画)
- ■ 下水道事業再評価
- ■ 処理場・ポンプ場施設設計
- ■ 管渠実施設計(基本・詳細)
- ■ 施設耐震診断・補強設計
- ■ 不明水調査・対策
- ■ 浸水・雨水流出解析
- ■ 下水道管路施設維持管理計画
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実施事例1
業務名 | 下水道ストックマネジメント計画業務 |
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所在地 | 埼玉県北本市 |
発注者 | 北本市 |
数量 | ストックマネジメント計画策定(整備面積 約600ha) ・管きょ・マンホール・ポンプ場等のリスク評価 ・施設管理目標の設定 ・長期的な改築事業のシナリオ設定 ・点検・調査計画の策定 |
実施内容 | 北本市では事業着手当初に布設した管路施設は49年を経過する状況にあり、年数の経過とともに標準耐用年数に近づく管路施設の数は増加の一途を辿る一方で道路陥没等の重大事故発生の危険性が高まることが懸念されています。 本計画では下水道施設(管きょ・マンホール・ポンプ場等)の長期的な状態を予測しながら、具体的に明確な目標を定め、膨大な施設をリスク評価し、下水道施設を計画的かつ効率的に管理する計画を策定しました。 また、リスク評価では国土交通省から発行されるガイドラインをもとに「機能上重要な施設」、「社会的な影響が大きい施設」、「事故時に対応が難しい施設」施設特性を総合的に評価する方法を採用し、リスクマトリクスによる対策優先順位のランク付けを実施しました。 |
実施事例2
業務名 | 下水道雨水排水実施設計業務 |
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所在地 | 埼玉県さいたま市 |
発注者 | さいたま市建設局 |
数量 | 下水道管路施設実施設計 ・開削工法 L=140m ・管更生工法 L=25m ・ポンプ施設設置設計 N=2基 |
実施内容 | さいたま市内において既設下水道幹線の能力超過等に起因した浸水被害に対し、浸水軽減を目的とした雨水施設を新設する実施設計です。 設計箇所(合流式下水道地区)は、計画降雨(5年確率)で幹線等の主要管きょが整備されていますが、集中豪雨や大型台風など計画規模を上回る降雨により浸水被害が発生しています。 設計計画においては、既存の排水系統および施設、周辺の地勢等など総合的に検証し、効果の高い浸水対策施設の検討を行いました。その結果、対策施設は、①集水桝と導水管の新設、②既設幹線の管更生、③2基の雨水排水ポンプ設置と圧送管布設、によりQ=12.0平方メートル/分の雨水を強制排水することが可能となり、浸水被害を軽減させる施設となりました。 |
実施事例3
業務名 | 下水道再整備工事に伴う設計業務 |
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所在地 | 神奈川県横浜市 |
発注者 | 横浜市環境創造局 |
数量 | 下水道管路施設実施設計 ・管更生工法(φ800mm未満) L=1042m ・布設替え工法(φ1200mm未満) L=1390m |
実施内容 | 横浜市においては、現在、布設後50年以上経過した管きょの総延長は約900kmで、20年後には約8300kmと全体の70%を超える見込みとなっています。 南部水再生センター(南部処理区)は南区の大部分、磯子区の半分、港南区、中区、西区及び保土ケ谷区の一部を含み、昭和40年に横浜市で2番目に下水処理場が運転を開始しました。 当該地区において、下水道管は供用開始から50年以上が経過しており、老朽化が進んでいます。老朽化した管路は、破損した箇所から土砂や地下水が流入し、それにより道路陥没を引き起こしたり、地盤の経年変化によりたるみ等が生じ、本来の流下能力を満たせず、豪雨時に道路への溢水や浸水を引き起こす場合があります。 本業務では、老朽化した管路を健全化させるために、既設管の健全度を管路内TVカメラによって調査されたものを用いて確認し、さらに、老朽化や破損・損傷のある管については適切な改良・改築のために詳細設計を行いました。また、耐震診断を行い、震災時に問題が生じないかの検証も実施しました。 |
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実施事例4
業務名 | 雨水幹線下水道整備工事に伴う設計業務 |
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所在地 | 神奈川県横浜市 |
発注者 | 横浜市環境創造局 |
数量 | 下水道管路施設実施設計 ・内径φ2500mmシールド設計(一次覆工、二次覆工) L=1742m ・特殊人孔 深さ20m以上 N=3基 ・取水施設 N=2箇所 |
実施内容 | 横浜市瀬谷区の相沢地区および瀬谷地区においては、雨水幹線の排水能力を超える近年の降雨により、浸水被害が発生しており、浸水対策が急務となっています。 当該区間の水路両側は住居が接近しており、水路の河床掘削や拡幅が困難であることから、排水能力を超過する雨水を取水し、下流の準用河川相沢川まで流下させるバイパス間を整備し、計画降雨に対応する雨水整備を行う必要があります。 本業務では、相沢川のバイパス管となる相沢第二雨水幹線を整備するための詳細設計として、泥土圧シールド工法(仕上り内径2500mm)設計L=1,742m(鋼製セグメント幅1.20m)、施工法などの検討に、急曲線・軌道横断・河川横断・近接構造物の検討を始め、深さ20m以上の特殊マンホールを3基、さらには相沢川から当該幹線に取水するための構造物を2箇所の詳細設計を行いました。 この幹線では、流下能力不足の上流側から流下能力に余裕のある下流側へ流下させる管路施設において、自然流下方式と排水ポンプを併用する「吹き上げ式」を採用しています。 |